参考文献(攻略本等)

管理人が収集した、シムシティ2000にまつわる関連書籍の紹介です。国内で出版された関連書籍については、知りうる限りすべて入手したつもりです。他にもご存じの方いたら、ご一報下さい。

それぞれの文献の発行にあたっては、シムシティ2000という複雑なゲームの解説・攻略の難しさ、締切日をはじめとした様々な制約などがあったかとは思いますが、ここでのレビューは独断と偏見で言いたい放題書かせてもらっています。もし著者の方が見ていたら、すみません。

本サイトでも、これらの文献を参考にしたり、しなかったりしています。

文献の一覧

並びは発行日順です。詳細な日付がわからないものは下に配置しています。

シムシティ2000 ユーザーズマニュアル

著者:マクシス
出版年:1994
出版社:イマジニア
ページ数:153
価格:-(各種PC版に付属)
対象機種:各種PC版

おすすめ度:★★★☆☆
(マニュアルとはいえバカにできません)

実はゲームを進めるうえでの基本的な情報は、みなここに書いてあります。一通りのチュートリアルや、各種施設のデータがしっかり掲載されています。

巻末おまけの「ギャラリー」のページもよい感じです。都市と関連した絵や詩などが紹介されています。ただ、残念ながらマクシス発売の版では省かれています。

このマニュアルは廉価版シムシティ2000には同梱されませんが、主要なページは「チュートリアル マニュアル」および「インサイド・シミュレーション マニュアル」として、PDF形式のデータとして収録されています。

SIM CITY 2000 パーフェクトガイド

出版年:1994/6/21
著者:中島理彦
出版社:ソフトバンク
ページ数:189
価格:1,600円(税込)
ISBN:4-89052-530-0
対象機種:各種PC版
おすすめ度:★★★☆☆
(手堅くまとまっています)

始めの「入門編」「基礎編」では各種テクニック、施設の解説を織り交ぜた大都市造りの過程を紹介、中盤の「実践編」では、シナリオ5本の詳細な攻略、そして最後の「応用編」では、フリースタイルな都市製作過程を紹介しています。

最後の「応用編」は50ページ近くと結構なページが割かれていますが、読んでいて面白いです。著者がシムシティ2000上において、東京とパリの再現に挑戦しています。

データ面はそこまで細かくはないのですが、ゲームの誤訳のフォローをしていたり、応用編のオリジナリティの高さなど、初期の攻略本としては良い出来だと思います。

ゲームコンパニオンシリーズ SIMCITY 2000

出版年:1994/7
著者:菊島恵三
出版社:勁文社
ページ数:159
価格:1,980円(税込)
ISBN:4-7669-2008-2
対象機種:Mac版(各種PC版)
おすすめ度:★★☆☆☆
(なんともいえません…)

この本の殆どはデータとテクニックで占められています。その他は、1000万人都市の誕生から完成までの軌跡と、シナリオ攻略が紹介されている程度です。5本のシナリオ攻略は、図のほとんどないあっさりしているものですが、やるべきことが具体的に書かれています。ただ、スマートな攻略法ではありません。

SIMCITY2000 プレーヤーズハンドブック

出版年:1994/7/15
出版社:アスキー
ページ数:19
価格:-(ログイン誌付録)
対象機種:各種PC版
おすすめ度:★☆☆☆☆
(コレクターズアイテム?)

ログイン誌(1994年14号)の特別付録です。ゲームの簡単な紹介と、簡単な建物データが掲載されています。当然ですが、中身は付録の域を超えません。

公式SIMCITY2000 攻略ハンドブック

出版年:1994/8/22
著者:与志田巧実
出版社:アスペクト
ページ数:159
価格:2,000円(税込)
ISBN:4-89366-258-9
対象機種:各種PC版
おすすめ度:★★☆☆☆
(公式ではあるようですが…)

公式本なのですが、ただ「公式」なだけで、編集にマクシスやイマジニアは特にかかわっていません。「公式」の恩恵は巻末数ページのウィル・ライトのインタビューくらいでしょうか。

構成は前半が各種データ・テクニック、後半がゲームのリプレイとシナリオ攻略になっています。各種施設のデータには他の攻略本と比べて珍しく「電力消費量」が載っていますが、残念ながらMw表記(このゲームのMw表記はあてになりません)なので、参考程度に。5本のシナリオ攻略は内容が乏しい上、やらなくてもよいことを指示していたり、いまいちです。

シムシティ2000 テクニカルファイル

出版年:1994/9/27
著者:シムシティ都市問題研究所
出版社:新紀元社
ページ数:198
価格:1,750円(税込)
ISBN:4-88317-616-9
対象機種:各種PC版
おすすめ度:★★★★☆
(国内本の最高峰)

個人的には国内で発売された中ではイチオシの本です。攻略本を探している人は、まずこれを買うといいと思います。

構成は各種データ・テクニックが中心ですが、この本が他の本と一線を画しているところは、他の本で見られないような細かいデータが目白押しなところです。紙面上では、様々な調査が行われています。水力発電所の詐欺スペックを94年の時点で明らかにしていたのには脱帽です。

その他のページには、Small City(人口一万人程度)の作成による都市造りの基本の確認や、ページ数が少ないながらも無駄のないシナリオ(5本)攻略、「難しい」モードでのプレイ記録などがあります。

問題点としては、調査が甘いところや、誤った記述(ポンプと時代の関連)がいくつか見られることですが、マニュアルと変わらないようなデータを載せている本よりはよっぽど参考になります。中身とは関係ないですが、表紙デザインもシンプルでおしゃれなのもグッド。

SimCity 2000戦略と秘密

出版年:1994/9/30
著者:Daniel A. Tauber & Brenda Kienan(著) 牧野武文(訳)
出版社:毎日コミュニケーションズ
ページ数:279
価格:1,800円(税込)
ISBN:4-89563-277-6
対象機種:各種PC版
おすすめ度:★★★☆☆
(マニュアル代わりに)

各種データやテクニックの解説に重きを置いており、マニュアルをさらに詳しくしたような本です。ほぼすべての攻略本は、マニュアルの引き写しのようなことをしていますが、この本が一番懇切丁寧です。中古購入等で説明書を持っていないような人におすすめ。

ただ、条例の費用や道路の維持費といった細かいデータが記載されていなかったり、都市建設の流れについての記述は最低限なのが残念なところ。

シナリオの攻略はこの本が発売された時点での5本しかありませんが、具体的で、無駄の少ない攻略手法が掲載されています。

他に特筆すべきことは、ウィルライトとの会談をまとめたものが冒頭に数ページ載っています。

シムシティ2000 スーパーガイド

出版年:1994/10/1
著者:北山崇
出版社:小学館
ページ数:149
価格:1,500円(税込)
ISBN:4-09-395065-8
対象機種:各種PC版
おすすめ度:★★★☆☆
(無難な本です)

著者の都市の作成記を中心に展開しており、「都市造りの流れ」を知るには一番よい本です。その他データも必要十分な程度に掲載されています。シナリオ攻略(5本)も一応ながら扱っています。

「近隣都市との接続が人口流出の原因となりうる」など誤った記述もありますが、PC版の本としては後発なだけあって、なかなか洗練されています。

シムシティ2000 for WINDOWS ゲームCD-ROM+公認ガイドブック

出版年:1995/5/10
著者:椿浩和
出版社:翔泳社
ページ数:203
価格:7,800円(税込)
ISBN:4-88135-233-4
対象機種:Win3.1版
おすすめ度:★★☆☆☆
(本体のおまけ)

ガイドブックとゲーム本編(Win3.1版無印)が一緒になったセットです。通常版に付属しているユーザーズマニュアルは無く、ガイドブックがその役割を果たしています。マニュアルであまり触れられていなかった、大都市までの都市造りの過程を織り交ぜて、ゲームの進め方を紹介しています。マニュアルの延長上の本のためか、そんなに突っ込んだデータは掲載されていません。

CD-ROMつき書籍という特殊な形態のためか、流通量が少ない感じです。わざわざ入手する必要もないのですが…。

シムシティ2000公式ガイドブック

出版年:1995/6/9
著者:ファミ通編集部
出版社:アスペクト
ページ数:143
価格:980円(税込)
ISBN:ISBN4-89366-374-7
対象機種:SFC版

おすすめ度:★★☆☆☆
(唯一のSFC版本)

値段は市販されたシムシティ2000関連本の中では最も安いですが、必要最低限のポイントは抑えています。中身は、都市の開発と注意点、各種テクニック・データ、シナリオ攻略となっています。

他の本より大きく優れたところはありませんが、この本の価値は、PC版から変更点の多いスーパーファミコン版を扱った唯一の本というところにあるでしょう。

この本の変わっている点は、シナリオ攻略がファミ通お馴染みのクロスレビュー方式になっているところです。4人の市長によるプレイ記録(数行)が紹介されています。読んでいて面白いのですが、役に立つかと言えば微妙なところです。

シムシティ2000 公式コンストラクトファイル

出版年:1995/11/19
著者:シムシティ都市問題研究所
出版社:新紀元社
ページ数:207
価格:1,200円(税込)
ISBN:ISBN4-88317-631-2
対象機種:SS版
おすすめ度:★★☆☆☆
(前と比べると残念)

先ほど褒め称えた「テクニカルファイル」のシムシティ都市問題研究所によるSS版攻略本ですが、実際は別のチームが書いたのか、はたまたコンシューマ向けに構成したためか、中身はパワーダウンしています。

大きく内容は、マップの解説、各施設・ツール利用のポイント、シナリオ攻略の三本で構成されています。特に目新しいものはありません。「テクニカルファイル」に掲載されている細かいデータがこっちに掲載されていないのは謎です。

シナリオ攻略は、SS版に収録されている全17本のシナリオを網羅していますが、要点を押さえているものの、紙面の制約上あっさりしています。

シムシティ 2000 公式ガイドブック 【マスター編】

出版年:1996/12/23
著者:レッカ社
出版社:ゼスト
ページ数:127
価格:1,100円(税込)
ISBN:ISBN4-916090-25-X
対象機種:PS版

おすすめ度:★☆☆☆☆
(構成がひどい)


役に立たないとは言いませんが、この本を買うなら他のPC版の攻略本を買いましょう。発売したアートディンクの公式本のようですが…。

中身としては、ひたすらデータとテクニックの本です。巻末におまけ程度にシナリオ・マップ紹介がありますが、おまけレベルです。一見文字がずらっと並んだ本なので、充実した本に見えるのですが、その実態はスカスカです。

全体的に本の構成が悪いです。この本の章建ては、「基本操作方法」「都市作成」「都市」「シナリオ」の4章より成りますが、前半の二章は両者ともデータ・テクニックを扱った章で、内容としては一緒にして構わないものです。

章が分かれているので、情報も2つに分割されてしまっています。

たとえば交通機関の情報を知りたい場合は、いちいち二つの章に目を通さなければなりません。しかも、内容が両章で重複しているところがあります。

肝心の情報もイマイチです。これも構成上の問題ですが、各施設の費用・維持費と言った数値データを、無駄に長い解説文の中で述べているため、見づらいです。

データ自体の問題として、施設の建設可能年代が相当いい加減なのが目につきます。いくら振れ幅があると言っても、原発を2000年代に登場と堂々記載できるのはすごい。ちなみに、取扱説明書には正しい建設年代が記載してあります。読みやすさも上です。

シムシティ 2000 公式ガイドブック 【シナリオ&マップ編】

出版年:1997/1/20
著者:レッカ社
出版社:ゼスト
ページ数:175
価格:1,700円(税込)
ISBN:ISBN4-916090-36-5
対象機種:PS版
おすすめ度:★★☆☆☆
(シナリオのためだけに買うのは…)

副題の通り、付属マップの紹介とシナリオの攻略です。これらに特化したためか、さすがに「マスター編」ほどの酷さはありません。

 各マップ・シナリオはそれぞれ見開き一ページに大きくマップの全体画像が掲載されています。贅沢なことに、総フルカラーページです。

前半ではマップの特徴と欠点、変わった遊び方の紹介が行われています。しかし、マップの情報を攻略本を買ってまで知りたい人がどれくらいいるかは謎です。

後半のシナリオの攻略は本サイトの攻略とアプローチが違ったりもしますが、さすがに参考になるレベル(ポートランドの攻略法はいただけませんが…)に仕上がっています。せっかく別冊にしたのだから、シナリオ攻略の方をもっと丁寧にしてほしかったところ。

The Official SimCity 2000 Planning Commission Handbook

出版年:1994
著者:Peter Spear & Johnny L. Wilson
出版社:Osborne McGraw-Hill
ページ数:218
価格:$19.95
ISBN:0-07-881950-4
対象機種:各種PC版
おすすめ度:★★★★☆
(これぞ公式本!)

イマジニアでもセガでもアートディンクでもなく、マクシスの公式シムシティ2000本です。

ふつうのゲームマニュアル的アプローチから脱却した本になっており、現実の都市計画の話を絡めてゲームの進行を紹介しています。一応シナリオ攻略もあります。関連書籍の中でも最もユニークな本です。

ただ、一般的なゲームの攻略情報が欲しいという人には、いまいちかもしれません。

さすが公式本、開発スタッフ絡みのネタの解説も随所にあります。図や写真も豊富で、英語が苦手な人でも楽しめるでしょう。

SimCity 2000: Power, Politics, and Planning

出版年:1994
著者:Nick Dargahi & Michael Bremer
出版社:Prima Publishing
ページ数:421
価格:$19.95
ISBN:1-55958-192-1
対象機種:各種PC版
おすすめ度:★★★★★
(恐ろしい本です)

英語が苦手でもシムシティ2000狂の人は買うべきです。

ずらりとデータが並ぶタイプの本なのですが、そのデータの詳しさは他の攻略本の追随を許しません。ただ、これだけの本でも発電所の電力供給量をMwで表記してたり、Mw表記による電力消費量を記載していたりするのは惜しいところです。不完全ながらしれっと自作シナリオデータの製作方法が載っているもの恐ろしいです。

また、巻末の開発スタッフへのインタビューは公式本でないにも関わらずかなりの分量です。没グラフィックの絵も掲載されています。幻のアルコの姿も…。